遺言書:付言事項の文例

遺言書付言事項

遺言書の内容には、法的効力を持つ遺言事項(本文)のほかに、それ自体には法的効力がない「付言事項」があります。

法定事項だけでも遺言書として効力は問題ありませんが、付言事項も書いておくことで、なぜそういう遺言をしたのか、家族に想いを伝えることができ、相続トラブルの防止に役立ちます。

【遺言事項(本文)】

具体的には「相続分の指定」「遺産分割方法の指定」など財産の処分・分配に関すること、「子の認知」「相続人の廃除」など相続人に関することがあります。

【付言事項】

具体的には「家族への感謝の気持ち」「遺言書を書いた経緯」「相続分指定の理由」などがあります。その他「戒名不要」なども付言事項にあたります。

付言事項の文例

感謝の気持ち

感謝①

私は、素晴らしい妻と子供たちに支えられて、明るい家庭を築けたうえに楽しい人生を送ることができたことに感謝しています。今後とも家族お互い助け合って仲良く幸せな人生が送れることを切に願っております。

 

感謝②

私には妻も子もおりせんが、仕事や趣味を通じて、人間関係においては非常に恵まれ、まわりの人々に支えられてその生涯を送ることができたことに本当に感謝しております。中でも姪のAには、年をとってから大変世話になりました。ありがとう。

 

感謝③

裸一貫で上京し、自分なりに懸命に生きてきたつもりですが、事業に失敗したり、家族に迷惑をかけた辛い時期もありました。そんなときもずっと支え続けてくれた妻Bには、感謝の言葉もありません。

 

遺言書を書いた経緯

経緯①

祖父、父から引き継いだ事業を息子に継いでもらいたく、この遺言書を遺すことにしました。

 

経緯②

思いやりにあふれたうちの家族に限って、相続争いや相続トラブルとは無縁だとは思いますが、心配性の自分としては、念のために遺言書を書くことにしました。

 

経緯③

ご存知のとおり、私は2度離婚しており、世間一般と比べ多少複雑な相続関係であるため、少ない遺産ではありますが、皆さんに迷惑がかからないように遺言書を書いておきます。

相続分指定の理由

理由①

妻には2人で築いた自宅の土地と建物を相続してもらうことにしました。住居の心配などせずにゆっくりと老後を過ごしてもらいたいからです。この不動産だけで遺産の2分の1をはるかに超えると思いますが、3人の子たちもこの事情をよく理解してくれると思います。お母さんに対して遺留分の請求などすることのないようにしてください。これからもお母さんをよろしく頼みます。

 

理由②

A男とB男には、できるかぎりの援助はしたつもりですが、C子には、大学にも行かせてやれなかったばかりか、ついつい甘えて介護の苦労までさせてしまい、本当に申し訳なく思っています。C子に対して多くの現金を残すことにしたのはそういう気持ちからです。みな理解してください。

 

理由③

私は、35歳のときに独立起業し以後40年間経営してきた○○株式会社を長男A男に継いでもらいたいと切に願っております。したがって、自社株式の80パーセントを長男夏男に相続させることにした。B男もC子もこのことに不満はあるかもしれませんが、どうか理解してください。また、相続人ではない役員のDに5パーセントの株式を遺贈することにしたのは、長年にわたって会社を支えてきてくれたことに対する感謝の気持ちと、今後も会社のために尽カしてもらいたいと願う気持ちからです。

否定的なことはなるべく控える

家族から嫌なことを言われたり、あまり会ってくれなかった子がいる場合、その相手を非難する言葉など否定的なことを書きたくなることもあると思いますが、否定的な内容はあまり書かないほうが良いでしょう。なぜなら、この遺言書を読むときにこの文章を書いたご本人は、既にいないからです。

ご本人がいない中で何の補足説明もなく、否定的な文章を読むとネガティブな部分が強調され、書かれた側は感情的になってしまうことでしょう。

否定的なことを書かれた相続人が、ほかの相続人が親にあらぬことを吹き込んだのではないかと疑って、親族同士が険悪になってしまう可能性もあります。

もちろん、どうしても伝えたいことは書いておくべきですが、否定的な内容はなるべく控えたほうがよろしいかと思います。

 

2020年1月

司法書士 日永田一憲

 

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司法書士・行政書士 
日永田一憲(ひえだかずのり)
昭和44年生れ
鎌倉市在住

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2021年5月15日
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