相続した不動産、売却までの道のり

相続した不動産、売却までの道のり

相続した不動産
  • 相続した不動産は、すぐに売却できるのか?
  • 相続人が複数いる場合、一人だけで売却できるのか?
  • 結局、売却までにどのくらいの費用がかかるのか?

これらの疑問について、相続専門の司法書士が詳しく解説します。

 

遺産分割協議・相続登記(費用:10~15万円+登録免許税、期間:1~2カ月)

相続した不動産を売却するには、まず相続登記が必要です。相続登記とは、亡くなった方の名義を相続人の名義に変更する手続きのことを指します。相続登記を行わずに被相続人名義のままで売却することはできません。

相続人が複数いる場合、売却時の遺産分割協議の内容が非常に重要になります。相続人全員で共有登記する方法、または一旦単独名義に変更し、売却後に代金を分配する方法など、さまざまな選択肢があります。相続人同士で検討し、最適な方法を選択することが重要です。

相続登記の申請には、戸籍謄本、戸籍の附票、遺産分割協議書、固定資産税評価証明書などが必要です。登記手続きは、司法書士に依頼するとスムーズに進めることができます。

 

確定測量と境界確定(費用:40~80万円、期間:2~4カ月)

相続登記が完了したら、売却に向けて不動産の測量と境界確定を行います。特に古い不動産では、隣地との境界が曖昧になっていることがあり、トラブルの原因になる可能性があります。

土地家屋調査士に依頼し、測量を実施した後、隣地所有者に立ち会ってもらい、境界を確認します。近隣住民が被相続人と深刻なトラブルを抱えていた場合、立ち会いが難航することもあるため、慎重に対応する必要があります。

測量が完了した後、必要に応じて法務局へ土地地積更正登記を申請します(土地家屋調査士)。

 

遺品整理(費用:30~100万円、期間:1日~1週間)

売却までに不動産内に残っている遺品を整理しなければなりません。必要なものは相続人の手元に残し、不要なものは処分しますが、この仕訳作業がかなり大変です。作業終了まで2年近くかかったケースもありました。早い段階から相続人全員協力しながら進めていくことが大切です。「捨てるもの捨てないもの」の確認は相続人同士での話し合いが不可欠ですので、普段から仲の悪い兄弟姉妹は要注意です。

また、それなりの費用はかかりますが、遺品整理業者を利用すると効率的に作業を進めることができます。また、遺品整理業者の中には、遺品の買取サービスを行っているところもありますので、業者選びの参考にしてみてください。

主な買取品目としては、テレビ、エアコン等の家電製品(年式の新しいものに限る)のほか、アナログレコードやカセットテープ、昭和のおもちゃ(プラモデルなど)等に良い値段がついているようです。

 

建物解体・リフォーム(費用:150万円~1000万円、期間:2週間~3カ月)

相続した不動産をそのままの状態でエンドユーザーに売却するのは困難な場合が多いです。一般的に、購入希望者は新しいマイホームに夢や希望を抱いており、老朽化した物件は敬遠されがちです。

売却の選択肢として、

  •  建物を解体し、更地にして売却する
  • リフォームして物件価値を高めた上で売却する

といった方法があります。場合によっては、リフォームよりも更地の方が高く売れることもあるため、売却想定価格と費用対効果を慎重に検討することが重要です。

 

不動産業者との契約と価格の決定

不動産を売却する際は、不動産業者と媒介契約を締結するのが一般的です。媒介契約には、

  • 一般媒介
  • 専任媒介
  • 専属専任媒介

の3種類があり、物件の状態や売却の希望条件に応じて適切な契約形態を選択します。

また、不動産業者が算出する査定額は、あくまで机上の計算によるもので、実際の売却価格とは異なる可能性があります。中には、仲介契約を獲得するために、相場より高い査定額を提示する業者もいるため、注意が必要です。

 

売買契約締結

買い手が決まると、売買契約を締結し、売主は手付金を受け取ります。契約書には、売却価格、引き渡し日、契約解除の条件などが明記されます。

契約内容を事前にしっかり確認し、不安があれば信頼できる不動産業者や司法書士に相談してから進めましょう。

 

残金決済(仲介手数料:物件価格の3%+6万円)

売買契約後、残金決済を行い、不動産の引き渡しをします。決済時には、売主・買主・不動産業者・司法書士が立ち会い、売買代金の着金を確認後、司法書士が所有権移転登記を申請します。

対象の不動産に抵当権が付いている場合は、事前に抹消手続きの手配をしておく必要があります。

また、この残金決済時に、不動産業者への仲介手数料(物件価格の3%+6万円)を支払います。

 

確定申告・譲渡所得税

不動産を売却し、利益が発生した場合は、翌年に譲渡所得税の確定申告を行う必要があります。納税額は、不動産の保有期間によって大きく異なります。

また、「空き家特例」や「買い替え特例」などの優遇措置を受けられる場合もあるため、可能であれば税理士に相談し、最適な方法で申告を進めましょう。

 

まとめ

以上が、相続した不動産を売却するまでの流れです。

実際に売却された方からは、思っていたよりもお金も時間もかかり、大変だったという感想をよくお聞きします。

必要な手続きが多く複雑に感じるかもしれませんが、各段階で司法書士や税理士等の専門家のサポートを受けることでスムーズな売却が可能になります。

また、売却までに最低でも数十万円、解体やリフォームが必要になると数百万円~の費用がかかってきますので、その費用負担についても考慮しておく必要があります。

不動産売却にはタイミングも重要です。できるだけ早めに準備にとりかかることが成功のカギとなります。

※対象不動産は、土地150㎡、建物100㎡、築50年と仮定

 

2025年2月

司法書士 日永田一憲

湘南海岸富士山・かもめ総合司法書士事務所
湘南海岸夏・かもめ総合司法書士事務所

未来に向け、安心できる相続を

相続専門の司法書士,日永田一憲

司法書士 日永田一憲

突然の相続で何から手をつけたらよいか分からない、、そんなときは、司法書士の無料相談をご利用ください

かもめ総合司法書士事務所・鎌倉

0467-39-6827

神奈川県鎌倉市由比ガ浜2-9-62フォーラムビル2階、鎌倉駅から0.6キロ、若宮大路沿い

営業時間:平日10時~17時半(事前予約で20時までご相談承ります)

相続や遺言、よくあるご質問

相続や遺言の相談は無料ですか?

初回のご相談は無料で承ります
お気軽にお問い合わせください

見積りをお願いできますか?

報酬及び諸費用について、
事前に料金表をご提示します

相続登記は全国対応ですか?

全国どこの法務局でも登記可能
遠方でもOKです

かもめ総合司法書士事務所鎌倉市由比ガ浜

法律サービスを通し安心と幸せを

かもめ総合司法書士事務所では、相続手続きをスムーズに行うことで、相続人の方のご負担を軽減し、これからのご家族の安心と幸せをサポートすることを使命と考え、日々、業務に取り組んでおります

〒248-0014
鎌倉市由比ガ浜2-9-62
フォーラムビル2階
かもめ総合司法書士事務所

0467-39-6827

事務所紹介

相続専門の司法書士,日永田一憲

かもめ総合司法書士事務所
代表者
司法書士・行政書士 
日永田一憲(ひえだかずのり)
昭和44年生れ
鎌倉市在住

当事務所では、相続手続きをスムーズに行うことで、相続人の方のご負担を軽減し、これからのご家族の安心と幸せをサポートすることを使命と考え、日々、業務に取り組んでおります

新着情報

2025年4月17日
相続コラム記事追加しました
2025年4月30日
依頼者様の声更新しました
0467-39-6827に電話する