遺産分割ができないとき

遺産分割ができない

金額の多寡ではない

相続手続きの中で一番の難所といえば遺産分割協議。

遺産の金額の問題ではありません。遺産総額数百万円、比較的少額でも長期間争い続けているケースもよくみられます。

私事で恐縮ですが、父が他界した際、普段は仲のいい弟とトラブルになりそうになりました。幸い、父の遺言書が見つかり事なきを得ましたが、危ないところでした。

 

全員が満足することはない

親族でもそれぞれ違う人間であり、環境、経験、知識の量、保有資産、考え方も感じ方も異なります。

まず、大前提として、全員が満足する遺産分割協議はない、ということを心に留めてとりかかりましょう。

 

もめる原因

なぜこれほどもめることが多いのか、様々な原因が考えられますが、家族とは会社等とは違い、原則、無償の関係で成り立っています。

突然の相続、遺産分割というお金の絡む問題に慣れていないため、柔軟に対応できないのではないか、という見解を聞いたことがありますが、もっともな意見だなと思います。

また、具体的なもめる原因としては、

  • 家を買うときの援助
  • 大学の学費
  • 結婚式の費用

など、生前、被相続人から一部の相続人への支出が問題になることが多いです。

これらのお金の動きに関しては、自分自身の思い込みではなく、本当にそのようなことがあったのか、事実をきちんと把握することが大切です。

 

遺産分割調停は避けたい

遺産分割協議がまとまらない場合、次の段階は裁判所の調停となります。

調停となれば、多くの時間、お金を費やすこととなり、精神的にも疲れてしまいます。

希望に近い相続分を確保できたけど、調停にかかった費用を差し引いたらほぼトントンだった。。。

という話もめずらしくありません。

そのような事態を避けるため、遺産分割協議をまとめることは、お互いにとってもメリットといえるでしょう。

 

話合いすらできていないとき

損な役回りかもしれませんが、自分から声をかけ、誠意をもって相手の話を聞くことからはじめてみてはいかがでしょうか。

また、当事者同士だとつい感情的になってしまうことも多いので、中立的な第三者に(専門家)に立ち会ってもらうのもいいかもしれません。

ただ、弁護士等の専門家から直接相手に連絡すると「宣戦布告」と捉えられてしまうこともありますので、切り出し方に注意が必要です。

 

主張に隔たりがあるとき

関連する法律や判例を調べて、自分の主張の根拠を明確にしておくことが大切です。

ンターネット等で情報収集しているときは自分に有利なものばかりが目につきがちですが、自分にとって不利な情報にも目を通しておいたほうがよいでしょう。

 

相手の立場に立って考える

相手に譲歩するわけではありません。ただ、もし自分が相手の立場だったら、と考えることは、相手の主張に対し、自分の意見を伝えるとき説得力が増すと思われます。

 

金の問題じゃない、は要注意

話合いがまとまらず、お互い感情的になってくると、よく耳にするのが「金の問題じゃない」というセリフ。

その次は「徹底的にやってやる」となってしまうのがお決まりのパターン。

なぜそこまでやる必要があるんですか?と聞いてみると、

  • 昔から気に入らなかった
  • 子供のころいじめられた
  • お小遣いに差があった

など、他人からすると「そんなことで?」と思ってしまうようなことでも、当事者は真剣そのもの。

「兄弟は他人のはじまり」という言葉がありますが、付き合いを絶っても親族には変わりはないので、他人よりもよほど難しい関係ともいえます。

 

遺産分割はお金の問題

このように感情的になってしまっては、なかなか話合いはまとまらないでしょう。

いったん冷静になって、「もし相手が他人だったら、いくらで手を打つべきか」と考えてみることは無駄ではないはず。

遺産分割は「お金の問題」と割り切ることも大切ではないでしょうか。

 

2021年9月

司法書士 日永田一憲

 
 
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日永田一憲(ひえだかずのり)
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