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【想定外の出来事に痛恨の家督相続失敗】
大名の間で激しい勢力争いが繰り広げられた日本の戦国時代には、「家を継ぐこと」「家を存続させること」が、彼らの最重要課題でした。
武将たちは将来性のある子に「家督相続」をさせたかったわけですが、大名ビジネスを存続させるための相続とは、本人の能力だけでは決められない複雑で面倒な引継ぎ業務。
一歩間違えば家や領国が崩壊しかねません。
今回は、思わぬ災難や準備不足で家督継承に大問題が起きた例として、織田信長と上杉謙信のケースを見ていきましょう。
【上杉謙信:後継者問題でお家騒動】
「越後の龍」「軍神」と呼ばれた越後国の戦国大名・上杉謙信は、生涯不犯(妻を娶らないこと)を貫いたため、正室も側室もおらず、実子がありませんでした。
代わりに彼には4人の養子がありました。
1577年、手取川の戦いで織田軍を撃破した上杉軍ですが、翌年に上杉謙信が急死します。
そこで大問題が浮上しました。生前の謙信は誰を後継者にするか明言していなかったのです。
4名の養子のうち、家督継承の可能性があったのは1歳違いの兄弟だった上杉景虎と上杉景勝です。
兄で北条氏出身の景虎と、謙信の姉を生母に持つ景勝は、それぞれ利害関係ある人々を巻き込んで家督を巡り争いました。
これが1578年のお家騒動「御館(おたて)の乱」です。
この乱で景勝が勝利し、景勝が上杉家当主となりました。
しかし、家を二分したこの戦いにより疲弊した上杉家は、軍事力、経済力も大きく衰退。
その隙を突かれ、織田信長につけ込まれて加賀・能登・越中の領地、支城・魚津城も失ったのです。
1582年、本能寺の変で信長が斃れたことにより、滅亡を免れた上杉家ですが、謙信時代の勢いは失っていました。
その後は、天下人となった豊臣秀吉に臣従。
秀吉の死後に徳川家康と対立すると、会津征伐、関ヶ原の戦いを通じて力はさらに勢力は縮小されていきました。
それでも上杉家は江戸時代を通じ大名家、旗本家として存続し、嫡流家系は現代にまで続いています。
とはいえ、謙信が家督継承について生前に明確にしてさえいれば上杉家の結束は継続し、更なる繁栄の歴史があったかもしれません。謙信の急死が思わぬ家督継承失敗に繋がったのです。
【織田信長:長男を亡くす想定外の変事で大番狂わせ】
戦国時代の三英傑の一人・織田信長。
やり手武将の信長は、当然、織田家の家督相続についても万全の準備をしていました。
生前より嫡男の織田信忠に家督と岐阜城、尾張・美濃の2国を譲り、彼の年の近い兄弟たちを他家へ養子として送り出しています。
織田信忠が信長の後継者だということを明確にし、その後も信長自身が実権を握って、後継者争いが起きないよう目を光らせていたのです。
ところが、1582年の本能寺の変で信長は明智光秀に討たれ、嫡男の信忠まで命を落としてしまいます。
羽柴秀吉が信長の弔い合戦「山崎の戦い」で光秀を討伐した後に、「織田家の後継者問題」が浮上しました。
のちの「清洲会議」では、信長の仇を討った秀吉主導で後継者は幼い信長の孫・三法師に決定。
しかし、実質上は秀吉が織田信長の後継者となり、織田家は秀吉の臣下となる過程で、三法師も早死にしています。織田家は、1583年の賤ヶ岳の戦い、1584年の小牧長久手の戦い、1600年の関ヶ原の戦いを通じて弱体化されました。
時代も秀吉から徳川家康の天下へと代わっていったのです。
多くあった信長の子供たちのうち、明治以降も残った家系は2男の信雄、7男の信高、9男の信貞の子孫のみ。
織田家は現代にまで存続していますが、用意周到に家督相続していた信長は、自分の代からの後継者問題と織田家の衰退など想像もしていなかったでしょう。
【まとめ】
今回ご紹介したのは上杉家、織田家における家督継承の失敗例です。
戦いや領国経営に長けた強力な大名さえも、家督相続がうまくいかなければ、弱体化し衰退してしまいます。
相続対策の重要性を改めて実感しました。
2020年12月
司法書士 日永田一憲
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代表者
司法書士・行政書士
日永田一憲(ひえだかずのり)
昭和44年生れ
鎌倉市在住
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