■88件の手続き

ご家族が亡くなられた後、どこへ行き、どのような手続きや届出を行えばよいか。

一説によると、人が亡くなると88件の手続きが必要となるといわれています。

誰でも当事者になりうることですが、何度もあることでもないし、あまり積極的に考えたくないことなので、事前に準備されている方はほとんどいないと思われます。

いざというときになって、手続きの多さや煩雑さに途方に暮れてしまい、やる気がなくなってしまった、というお話もよく耳にします。

また、順序や優先順位を考えず、やみくもに手を付けると、二度手間三度手間になってしまうことも。

できるだけ無駄な動きをなくし、効率よくできるよう時系列にまとめました。

 

■当日～7日以内

【死亡診断書の手配】

• 病院又は医師に依頼
• 通常、当日か翌日には交付

【死亡届の提出】

• 死亡地、本籍地等の役所へ死亡の届出をします
• 同時に、火葬埋葬許可申請書を提出

 

■14日以内

【世帯主変更の届出】

• 亡くなった方が世帯主であった場合のみ必要
• 最後の住所地の役所

【健康保険の資格喪失手続き】

• 最後の住所地の役所
• 返却する物：国民健康保険（後期高齢者）被保険者証

【戸籍等証明書類の取得】

今後、不動産や金融機関の手続きをする際に必要となる書類です。同じ役所で取得できるものはできるだけ同時に。

• 亡くなった方の戸籍（除籍）謄本
• 相続人の戸籍謄本
• 亡くなった方の住民票・除票（本籍地記載のあるもの）
• 相続人全員の印鑑証明書
• 相続人の住所地の役所

 

■1カ月以内

戸籍等の証明書類を取得したら、公共料金等の手続きに入りましょう。

【電気、ガス、水道】

• 契約者の変更と支払い方法の変更
• 各会社の窓口
• 必要書類は要確認

【携帯電話、インターネットサービス】

• 解約、名義変更
• 各会社の窓口
• 必要書類は要確認

【運転免許証】

• 返納（更新しなければ自動的に失効）
• 警察署

【クレジットカード】

• 解約（一般的にポイントは失効）
• 各会社の窓口

 

■まとめ

まずは、1カ月以内に、ここまでやっておけば大丈夫です。

もし、余裕があれば、

• 葬祭費、埋葬料の支給申請
• 高額医療費の支給申請
• 年金受給停止と未支給年金の請求
• 遺族年金の請求

等の手続きを行うといいでしょう。

また、同じ役所でできることはできるだけ同時に行い、手続きや届出の際に必要な書類を前もって確認、準備することで効率よくすすめることができます。

 

2020年８月

司法書士　日永田一憲