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■信託銀行の遺言信託とは別物
遺言信託とは、法的に遺言により信託を設定することをいいます。
また、家族間・親族間で信託を設定するケースでは「家族信託」とも呼ばれています。
少しややこしいですが、同じ言葉で、信託銀行の提供する遺言の作成・執行に関するサービスを指して使われることがありますが、こちらには、原則として法的な信託は設定されませんので意味が違ってきます。
今回は、遺言により法的な信託を設定する「遺言信託」について説明します。
遺言信託の一番のメリットは、一般的な遺言書による遺産承継では実現できないことが、遺言信託によって可能になることです。以下、事例をご紹介します。
【事例紹介】
最近病気がちなので、遺言書の作成を考えている。
遺言書作成にあたり一番の気がかりは『妻には浪費癖があるので、一度に相続させると大金を使ってしまう恐れがあるので、その点が心配』とのこと。
できることなら、
『信頼できる甥の一人に財産を託して、妻が亡くなるまでの間、毎月必要な分だけ生活費として送金してもらいたい』
『妻が亡くなった後は自分の血縁に財産を遺したい』
とのご意向。このご意向に沿って、一般的な遺言を作成すると、
『私の財産を甥に遺贈します。 その代わりに、妻に生活費として毎月○○万円を渡してください』
となるでしょう。
しかし、この遺言によると、
等が問題となってしまいます。
【一般の遺言ではできないことが可能】
そこで、遺言信託の活用が考えられます。具体的には、遺言で、
等の内容を定めます。こうすることで、一般的な遺言による上記の問題点を克服することができると考えられます。
今回の例のように、一般的な遺言では実現が難しいと考えられる内容であっても、遺言信託の活用により、お客様のご意向に沿ったかたちの遺言内容を実現することができます。
また、障がいのある方のご家族や認知症が心配な方のご家族にとっても「遺言信託」は大変有益な制度といえます。
2016年7月
司法書士 日永田一憲
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代表者
司法書士・行政書士
日永田一憲(ひえだかずのり)
昭和44年生れ
鎌倉市在住
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