【家族も知らない謎の不動産】

相続の財産管理業務をお受けした場合、まずは戸籍の調査からはじめます。

次に、財産の調査にとりかかりますが、これがなかなか厄介。

相続人（ご家族）の方から聞き取りをしながら、銀行預金、株式や各種会員権などひとつひとつ財産を書き出していきますが、ご家族でも被相続人の財産の詳細までは把握していないことが往々にしてあるようです。

株式や会員権だけではなく、不動産に関しても同じことがいえます。

現在、お住まいの自宅不動産のことは当然知っていても、かなり前に購入した投資用不動産や別荘地等、なんとなく以前に聞いたことがあるような気がする、見たことも行ったこともない「謎の不動産」はけっこう多く存在しているようです。

【売却済みだった】

そのようなときは、不動産の権利証や登記簿謄本、固定資産税の納税証明書、売買契約書等、不動産に関する書類一式（相当な量です）を持ってきてもらうんですが、調査をしてみると、中には「すでに売却済み」とか「取り壊し済み」だったというケースも珍しくありません。

膨大な書類の調査に時間がかかってしまうことはもちろん、中には実際には存在しない遺産をめぐって争いが勃発しそうになることも・・

【不要な書類は処分】

万が一のときに、残されたご家族がスムースに手続きできるよう、不要な書類は処分し、きちんと分かりやすく整理しておくのも今からできる大切な相続準備だと思います。

簡単な財産目録も作成しておけば、なお良しですね。

2016年4月

司法書士　日永田一憲