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かもめ総合司法書士事務所<鎌倉市由比ガ浜>
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不動産を所有している多くの方は、売却や相続といった出来事がない限り、不動産登記を意識する機会は多くありません。
住所変更や氏名変更があっても、住民票や運転免許証の変更を行えば手続きは完了したと思い込み、不動産登記まで手が回らないことが多いのではないでしょうか。
しかし、こうした状態が長年にわたって積み重なった結果、日本では登記簿上の情報と現実の状況が一致しない不動産が増加してきました。この状況を改善するため、不動産登記法が改正され、不動産所有者の住所変更登記および氏名変更登記が義務化されることとなりました。
本記事では、制度の背景から義務化の内容、実務上の注意点までを分かりやすく解説します。
不動産の住所変更登記が義務化される背景には、所有者不明不動産の増加という深刻な社会問題があります。
所有者不明不動産とは、登記簿を見ても現在の所有者が分からない、あるいは所有者と連絡が取れない不動産を指します。
国土交通省の調査によれば、所有者不明土地の面積は九州本島に匹敵するとされ、公共事業や民間開発の大きな障害となってきました。
この問題の根本原因の一つが、住所変更や氏名変更が登記に反映されていない点にあります。引っ越しや結婚、離婚などがあっても登記が放置され、その後相続が重なることで、誰が実際の所有者なのか分からなくなる状態が生じていました。
このような状況を是正するため、相続登記の義務化と並行して、住所変更登記の義務化を進めています。登記簿の情報を常に最新の状態に保つことで、不動産の管理や活用を円滑にし、不動産流通全体の健全化を図ることが目的です。
また、不動産登記は取引の安全を支える公的な仕組みです。登記内容と実態が一致していなければ、第三者は安心して不動産取引を行うことができません。住所変更登記の義務化には、登記制度そのものの信頼性を回復させる意味もあります。
不動産所有者の住所変更登記および氏名変更登記は、2026年4月1日から義務化されます。
住所や氏名に変更が生じた場合、その変更日から2年以内に変更登記を申請する必要があります。
この義務は、不動産を新たに取得した方だけでなく、すでに不動産を所有しているすべての方に及びます。
正当な理由なく期限内に申請を行わなかった場合には、過料の対象となります。過料の上限額は5万円とされており、刑事罰ではありませんが、行政上の制裁として位置付けられています。
住所変更登記の義務化は、今後生じる変更だけを対象とするものではありません。
過去に住所変更があったにもかかわらず、登記が行われていない場合も対象となります。
例えば、不動産を取得した後に複数回引っ越しをしているものの、登記簿上の住所が取得当時のままになっているケースでは、現在の住所に至るまでの変更経緯を証明したうえで登記申請を行う必要があります。
住所変更登記が必要となるのは、引っ越しをした場合だけではありません。
市区町村による住居表示の実施も対象となります。
住居表示とは、町名変更や番地整理などにより、住所の表記が変更される制度です。この場合、実際に引っ越しをしていなくても、登記簿上の住所と現行の住所が一致しない状態になります。
住居表示の実施は自治体主導で行われるため、不動産所有者本人が気付かないまま、登記が古い表記のままになっているケースも少なくありません。
登記簿上の住所が現行の住居表示と一致しているかを確認し、異なる場合には住所変更登記が必要となる点に注意が必要です。
住所変更登記を行う際には、住所変更の事実を証明する書類が必要です。
一般的には、住民票、住民票の除票、戸籍の附票などが用いられます。
登記簿上の住所から現在の住所までのつながりを証明できる書類が求められるため、複数回の住所変更がある場合には、複数の書類を組み合わせて提出することになります。
また、氏名変更登記を申請する場合には、戸籍謄本など、氏名変更の経緯が確認できる書類が必要です。
住所変更登記は、制度上、本人が申請することも可能です。ただし、実務上はいくつか注意点があります。
まず、登記簿上の住所と現住所とのつながりを、書類によって正確に証明する必要があります。書類が不足している場合には、追加提出を求められることになります。
また、申請書の記載内容にも注意が必要です。不動産の表示や登記原因の日付などに誤りがあると、補正を求められます。補正には期限が設けられているため、迅速な対応が求められます。
(参考)法務省「住所等変更登記の義務化特設ページ」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00687.html
制度の詳細や最新情報については、法務省が公開している特設ページもあわせて確認するとよいでしょう。
不動産登記の中では、住所変更登記や氏名変更登記は比較的シンプルな部類に入ります。しかし、過去の変更履歴の有無や住居表示の実施状況など、個別事情によって必要書類は異なります。
司法書士に依頼することで、登記簿の確認から必要書類の収集、申請手続きまでを一貫して任せることができます。
特に、不動産の売却や贈与を予定されている場合には、事前に住所変更登記や氏名変更登記を済ませ、登記簿を最新の状態にしておくことで、将来の手続きを円滑に進めることができます。
不動産所有者の住所変更登記および氏名変更登記の義務化は、登記制度の信頼性を高め、所有者不明不動産を減らすための重要な制度改正です。
過去の住所変更や住居表示の実施に心当たりのある方は、早めに司法書士へご相談されることをおすすめします。
2026年1月
司法書士 日永田一憲
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代表者
司法書士・行政書士
日永田一憲(ひえだかずのり)
昭和44年生れ
鎌倉市在住
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