
鎌倉で相続・遺言書の相談なら、かもめ総合司法書士事務所
鎌倉・相続相談ひろば
かもめ総合司法書士事務所<鎌倉市由比ガ浜>
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近年、相続財産の中で株式や投資信託が占める割合は年々高くなっています。
かつては相続財産といえば、不動産や預貯金が中心でした。
しかし、NISA制度の普及や資産運用への関心の高まりにより、多くの方が証券会社に口座を開設し、株式や投資信託を保有する時代になりました。
さらに近年は株価が上昇傾向にあることから、相続財産に占める金融資産の割合が大きくなるケースも増えています。
一方で、株式や投資信託は預貯金とは異なり、証券会社での相続手続きが必要です。遺言書の書き方によっては手続きが複雑になったり、相続人が思わぬ負担を抱えたりすることもあります。
この記事では、株式や投資信託を遺言書で相続させる場合の書き方や、そのまま相続する場合と売却して現金化する場合の違い、相続後の手続きや税金、NISAの取扱いまで、司法書士の立場から分かりやすく解説します。
相続手続きの現場でも、不動産や預貯金だけでなく、証券会社の口座を保有している方の相続が年々増えています。
保有している金融商品も、国内株式だけではありません。投資信託やETF、REIT、外国株式など、資産運用の内容は年々多様化しています。
そのため、相続人は不動産の名義変更や銀行預金の解約だけでなく、証券会社ごとの相続手続きも行わなければなりません。
さらに、株式や投資信託は価格が日々変動します。相続人の立場からすると、できるだけ早く自分の管理下に置くことが安心につながります。
そのため、遺産分割協議が長引き、誰が取得するのかが決まらない状態は、できるだけ避けたいところです。
当事務所がある鎌倉市でも、「株式や投資信託を保有しているが、遺言書にはどのように書けばよいでしょうか」というご相談が増えています。
ご自身の資産内容に合わせた遺言書をあらかじめ作成しておくことで、ご家族の負担を大きく減らすことができます。
株式や投資信託を遺言書で相続させる場合は、書き方がとても重要です。
どのように記載するのが適切かは、ご本人の資産状況や、どのように遺産を分けたいのかによって異なります。
したがって、遺言書を作成するときは、財産全体の内容や相続人の状況を踏まえて検討することが大切です。
例えば、
では、遺言書の記載方法も異なります。
一般的には、証券会社名、支店名、口座番号、保有している金融商品などをできるだけ具体的に記載しておくことをおすすめしています。
ただし、銘柄を細かく指定しすぎる場合には注意が必要です。
生前に売却や買い替え等、ポートフォリオ変更を行うと、相続開始時には遺言書に記載した内容と実際の保有資産が一致しなくなることがあります。
また、株式の所有者本人が何もしなくても、株式分割や株式併合などによって保有株式数が変わることもあります。
遺言書は、将来の資産の変動もある程度見据えながら作成することが大切です。
株式や投資信託の相続手続きは、すべての証券会社で共通しているわけではありません。
必要書類や手続きの流れは、証券会社によって異なります。
例えば、相続専用の依頼書を支店へ提出する会社もあれば、戸籍謄本や遺言書などの必要書類を相続センターへ郵送する会社もあります。
銀行の相続手続きは近年かなり共通化が進んでいますが、証券会社では現在も独自の運用が残っているため、複数の証券会社に口座がある場合は、それぞれ個別に手続きを進めなければなりません。ケースによっては、想像以上に時間がかかることもあります。
また、相続開始後に「どこの証券会社に口座があるのか分からない」というご相談も少なくありません。
最近ではインターネット取引が中心となり、証券会社から郵送される書類も以前より少なくなっています。そのため、ご家族が証券会社を把握していないケースも珍しくありません。
保有している証券会社が分からない場合は、証券保管振替機構(ほふり)の「登録済加入者情報の開示請求制度」を利用して調査することができます。
株式や投資信託を保有している方は、証券会社名や口座情報をエンディングノートなどに記録しておくだけでも、ご家族の負担を大きく軽減できます。
遺言書を作成するときは、株式や投資信託をそのまま相続させるのか、それとも売却して現金で相続させるのかを考えておくことが大切です。
どちらにもメリットと注意点があり、ご家族の状況や相続財産の内容によって適した方法は異なります。
「どちらが正しい」というものではなく、ご自身の想いや相続人の状況を踏まえて選択することが重要です。
【株式や投資信託をそのまま相続する場合】
株式や投資信託をそのまま相続する最大のメリットは、資産運用を継続できることです。
被相続人が長年保有してきた株式や積立投資を続けてきた投資信託は、今後も配当金や分配金を受け取ったり、値上がり益が期待できたりする可能性があります。
また、資産価値だけでは測れない「想い」が込められている場合もあります。
例えば、
などは、そのまま引き継ぎたいと考えるご家庭も少なくありません。
一方で、注意したい点もあります。
株価は日々変動するため、相続人が株式投資に慣れていない場合には、価格の変動に不安を感じることがあります。
また、複数の相続人がいる場合には、一人だけが株式を取得すると、遺産全体のバランスを調整しなければならないこともあります。
例えば、
「長男には株式を、長女には預貯金を相続させる」
というように、他の財産とのバランスまで考えて遺言書を作成しておくと、相続開始後のトラブルを防ぎやすくなります。
株式や投資信託をそのまま相続させる場合は、「資産を残す」だけでなく、「ご家族が管理し続けられるか」という視点も忘れてはなりません。
【売却して現金で相続する場合】
株式や投資信託を売却し、現金に換えてから相続人へ分配する方法も、多く利用されています。
最大のメリットは、財産の価値が明確になることです。
現金であれば株価の変動を気にする必要がなく、複数の相続人にも公平に分けやすくなります。
例えば、相続人が三人であれば、売却代金を三等分することで分割方法が分かりやすくなります。
不動産のように評価方法をめぐって意見が分かれることも少なく、相続手続きを円滑に進めやすい点も大きなメリットです。
また、
「株式投資の経験がない」
「相続しても管理の仕方が分からない」
という相続人にとっても、現金で受け取る方が安心できる場合があります。
ただし、売却のタイミングには注意が必要です。
株価は毎日変動するため、相続開始後に大きく値下がりすることもあれば、反対に大きく値上がりすることもあります。
そのため、遺言書に「売却して現金を相続させる」と記載する場合は、価格変動リスクのある資産であることを理解した上で決めることが大切です。
将来の株価を正確に予測することは誰にもできません。だからこそ、ご家族が安心して手続きを進められる方法を優先して考えることが重要です。
近年は、野村證券や大和証券などで提供されているファンドラップを利用されている方も増えています。
ファンドラップは、通常の株式や投資信託とは少し取扱いが異なるため、遺言書を作成する際にも注意が必要です。
ファンドラップは、契約者の投資方針やリスク許容度に基づいて、証券会社などが資産運用を行う投資一任契約です。
そのため、契約者が亡くなると、原則として投資一任契約は終了し、契約上の地位を相続人がそのまま引き継ぐことはできません。
一方で、ファンドラップ口座で運用されていた投資信託や、換金後の現金は相続財産となります。
また、証券会社によっては、一定の手続きを行うことで、ご家族へ運用資産を引き継ぐことができる制度を設けている場合もあります。
「ファンドラップだから相続できない」と考えるのではなく、何を相続できて、何が終了する契約なのかを理解しておくことが大切です。
遺言書を作成する際には、商品名だけで判断せず、契約内容や証券会社の取扱いまで確認しておくことをおすすめします。
株式や投資信託を相続した後、
「売却すると税金はかかるのでしょうか。」
「NISA口座で保有していた商品は、そのまま引き継げるのでしょうか。」
このようなご質問をいただくことがよくあります。
株式や投資信託には、相続税だけでなく、売却したときの譲渡所得税や住民税が関係する場合があります。
そのため、遺言書を作成するときは、「誰に相続させるか」だけではなく、相続後の税金や手続きまで見据えておくことが大切です。
【NISAの非課税制度は相続されません】
被相続人がNISA口座で株式や投資信託を保有していた場合でも、NISAの非課税制度そのものを相続人が引き継ぐことはできません。
NISAは、口座名義人本人だけが利用できる制度です。
そのため、相続が開始すると、その非課税制度は終了します。
ただし、これは株式や投資信託そのものがなくなるという意味ではありません。
NISA口座で保有していた株式や投資信託は相続財産となり、相続人名義の一般口座または特定口座へ移管した上で、そのまま保有を続けたり、売却したりすることができます。
また、相続人自身がNISA口座を利用していたとしても、被相続人のNISA口座から、そのまま相続人のNISA口座へ移すことはできません。
この点は、新NISA制度が始まった現在でも変わっていません。
NISA口座で運用している方が増えているからこそ、誤解しやすいポイントとして知っておきたい事項です。
【売却したときの税金はどうなる?】
相続した株式や投資信託を売却して利益が出た場合には、譲渡所得税の対象となることがあります。
ここで誤解されやすいのが、「相続したときの評価額」と「売却価格」を比較して税金を計算するわけではない、という点です。
税金の計算では、原則として被相続人が購入したときの取得費を相続人が引き継ぎます。
例えば、何十年も前に購入した株式では、取得費が分からなくなっているケースも少なくありません。
そのような場合には、税法上認められている**概算取得費(譲渡価額の5%)**を用いて取得費を計算できる場合があります。
もっとも、概算取得費を用いると税負担が大きくなることもありますので、売買報告書など取得費が分かる資料は、できるだけ大切に保管しておくことをおすすめします。
また、相続税を納めた場合には、「取得費加算の特例」を利用できるケースがあります。
この特例を利用すると、一定額の相続税を取得費へ加算できるため、譲渡所得税を軽減できる可能性があります。
株式や投資信託の売却を予定している場合は、相続税申告を担当する税理士へ早めに相談し、売却の時期も含めて検討するとよいでしょう。
【確定申告が必要になる場合もあります】
相続した株式や投資信託を売却すると、確定申告が必要になることがあります。
例えば、特定口座(源泉徴収あり)で売却した場合には、証券会社が税金の計算や納付を行うため、原則として確定申告は不要です。
一方で、遺言執行者や遺産整理受任者が売却手続きを行う場合には、一般口座での売却となるため、利益が生じたときは原則として確定申告が必要になります。
また、
などのケースでは、損益通算や取得費加算の特例などを利用できる可能性があります。
税金の取扱いは、個々の事情によって異なります。
司法書士は相続登記や遺産承継業務を担当し、税務申告は税理士が担当します。
それぞれの専門家が適切に連携することで、相続手続きをより円滑に進めることができます。
株式や投資信託を保有している場合は、
「誰に相続させるか」
だけではなく、
「どのように相続させるか」
まで考えて遺言書を作成することが大切です。
例えば、
など、ご家族によって希望はさまざまです。
一方で、遺言書の表現が曖昧だったために、証券会社で手続きが進まなかったり、相続人の間で解釈が分かれてしまったりするケースもあります。
司法書士は、遺言書の作成だけではなく、不動産、預貯金、株式、投資信託など、財産全体のバランスを考えながら、相続開始後の手続きまで見据えたご提案を行っています。
また、遺言執行者として司法書士を指定しておけば、相続開始後は相続人に代わって金融機関や証券会社との手続きを進めることも可能です。
ご家族が遠方に住んでいる場合や、お仕事などで手続きの時間を確保しにくい場合でも、負担を大きく軽減することができます。
近年は、資産運用に対する意識の変化、株価の上昇やNISA制度の普及により、相続財産の中で株式や投資信託が占める割合が高くなっています。
株式や投資信託は、預貯金とは異なり、証券会社での相続手続きや証券口座の開設など、特有の手続きが必要になります。
また、そのまま相続する方法と売却して現金化する方法では、手続きや注意点が異なります。
さらに、相続後には譲渡所得税や取得費加算の特例など、税務上の検討が必要になることもあります。
だからこそ、遺言書を作成する段階から、相続後の手続きまで見据えた準備をしておくことが、ご家族の安心につながります。
株式や投資信託を保有されている方は、不動産や預貯金も含めた財産全体のバランスを考えながら、ご自身に合った遺言書を準備することをおすすめします。
かもめ総合司法書士事務所では、鎌倉市を中心に、遺言書の作成支援、家族信託、遺言執行、相続登記、遺産承継業務まで幅広く対応しております。
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2026年8月
司法書士 日永田一憲
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昭和44年生れ
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