かもめの相続コラム:離婚による財産分与の登記

裁判等による離婚・財産分与の登記

離婚財産分与

【財産分与】

財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して取得した財産を、離婚する際に精算的に分けることをいいます。

財産分与は、離婚時になされるのが一般的ですが、離婚後も2年間は財産分与を請求することが可能です。

 

【財産分与の登記】

財産分与の結果、元夫婦間で所有不動産を分与することとなった場合、法務局で不動産の名義変更(所有権移転登記)の手続きをすることとなります。

その方法は、協議による財産分与の場合と、裁判等による財産分与の場合で異なります。 

ここでは、裁判等による財産分与について説明いたします。

 

【裁判等(裁判、調停、審判)による財産分与】

通常、不動産名義変更の登記申請は双方が協力し、共同で行いますが、裁判等による財産分与の場合には、不動産を取得した方が単独で手続きをすることができます。

裁判等に基づく不動産の名義変更のために必要な書類は次の通りです。

■登記原因証明情報 

調停調書、審判書、判決書等が登記原因証明情報となります。調書等には「財産分与を原因とする所有権移転登記手続きをする」等の記載のあることが必要です。

また、調書等に「財産分与として、登記手続きと引き換えに○○万円を支払う」(反対給付)といった条項がある場合は、裁判所に反対給付があったことを証する書面を提出し、執行文を付与してもらう必要があります(強制執行ができるようになります)。

■委任状 

不動産を取得する方から司法書士への委任状が必要です。

■住民票 

不動産を取得する方の住民票が必要となります。

■固定資産税評価証明書

登録免許税計算のため添付します。

 

【住所や氏名が登記上と異なっているとき】

離婚前から別居していたり、離婚により姓が変わったときは、登記原因証明情報である調書等における義務者の住所・氏名と登記記録上の住所・氏名が異なってきます(自分自身で変更登記を申請している場合を除く)。

この場合、財産分与による所有権移転登記の前提として住所変更・氏名変更の登記が必要となります。

この登記についても分与を受ける方が代位して、単独で登記申請することが可能であるため、相手方の協力を得る必要はありません。

この住所・氏名の変更登記には、変更があったことを証する書面(住民票や戸籍謄本等)が必要です。

 

2019年7月

司法書士 日永田一憲

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